円高が急速に進行し、低金利の円を借りて高金利資産へ投資するキャリートレードの解体リスクが高まっている。日銀の会合を前に市場の動向や潜在的な影響を整理する。
円高が急速に進行し、日本銀行の金融政策決定会合を控える局面で円は上昇トレンドを描いた。投資家は今までのキャリートレードを見直す動きを迫られ、円の売り持ちポジションの縮小が進んだものの、全体の規模は依然大きいとされる。キャリートレードは低コストの円を借りて高利回り資産へ資金を移す手法であり、金利差だけでなく為替変動の影響も大きく受けやすい。
世界規模の資金規模として、国際決済銀行(BIS)のデータなどを基に円建ての借入額は3月時点で過去最高の360兆円に達したとされ、蓄積されたポジションの一斉清算は世界市場に大きな波及をもたらす可能性が指摘されている。市場関係者は日本の金融緩和と財政刺激の期待が過剰なキャリートレードを生んでいると語る。
9月8日には円が1米ドル=152.89円まで上昇し、直近では2月以来の高値を記録。市場は日銀が利上げに踏み切る可能性を織り込みつつ、為替介入の継続を巡る憶測も広がっている。ショートポジション解消を促す円買いの動きやストップロス注文の発動による急変動の懸念も報じられている。
市場は来る日銀とFRBの会合を控え、円のショートポジション解消が進む場面を想定しているが、日銀の長期タカ派姿勢や政策変更の可能性は依然不確定であり、キャリートレード戦略自体が「タダ飯」ではなくなっているとの見方も出ている。