米インフレの粘着性と日銀のジレンマが意識され、ドル円は158円台前後で推移。ユーロ安がドル指数を支える一方、FRBの利上げ見通しや日銀の動向を巡る材料が続く。
1週間のドル円相場はおおむね158円を挟んでの推移となり、米9月CPIが予想を上回った際にはドル買いが優勢となり、ドル円は158円95銭まで上昇した。その後は市場の反応が弱まり、翌日には日銀の小枝審議委員の講演を受けて円は一時的に円高方向へ振れたが、最終的には再び158円前後で落ち着いた。
ドル指数を押し上げる要因としてユーロ安が継続しており、ユーロドルが一時1.11割れ目前まで下落する場面があった。一方、米長期金利の上昇はタームプレミアムの拡大を伴う「悪い金利上昇」とも言われ、ドル高の勢いは限定的だった。
投機筋のポジション動向ではユーロのショートが継続の可能性を示唆する一方、円のポジションはヘッジファンドを中心に円ショートへ転じる動きが見られ、日銀の利上げペース加速観測への市場反応が継続している。
米国のインフレ動向ではエネルギー価格の影響が強く、原油相場の上昇が総合・コアCPIの高止まりを後押ししている。FRBが10月利上げを実施するかはCIE(共通インフレ期待)の動向次第となっており、最新のCIEの動向が注目されている。
今週公表されたベージュブックは全体の経済成長は緩やかな拡大にとどまる一方、インフレの根強さを指摘しており、FRBはインフレ抑制を軸に政策を運用するとの見方が多かった。日銀側では負のフィードバックの循環が指摘され、12月の利上げの可能性や160円台の水準をめぐる見方が交錯している。
来週の焦点としては原油上昇・米国年末の利上げ観測・ユーロ安の継続などを背景に、ドル指数・ドル円は底堅く推移する見込み。ただしドル高の勢いは限定的で、155円-160円のレンジを中心に展開し、12月の利上げ観測の再程度の高まりが円相場に影響を与えそうだ。