日本経済は景気拡大が続く一方で、企業の利益は増えるのに家計の賃上げは鈍く、内部留保は過去を上回る水準まで膨らんでいる。
コロナ禍を除けば長期的な好景気が続くとされる中、企業部門の景気は好調で、経常利益は12年度から25年度にかけて2.6倍となり、過去最高益を毎年更新している。経常利益率も上昇し、内部留保は654.8兆円まで膨らんだ。
一方で家計部門の経常利益は同期間に2.6倍増えたのに対し、人件費は1.2倍にとどまり、平均給与は12年度比で約1.13倍の増加にとどまっている。雇用は増えているにも関わらず、家計の実感としての好景気は薄い。
期間を長く見ると、バブル崩壊後の水準でも経常利益は6.1倍に達しているが、平均給与の伸びは1.1倍と大きく変わっていない。企業が利益を増やしても賃上げを抑制する傾向が続くため、労働分配率は規模を問わず低下している。
内部留保の使い方が鍵となるが、増加自体は問題ではなく、投資へ回るか現金化されるかが経済成長の要因となるとの見方が示されている。内部留保の増加と賃上げの遅れが家庭の実感に影響を与えている構図だ。