中部経済連合会は5日、柘植康英副会長が会長に就任したと発表した。勝野哲会長は退任し、中部電力のデータ不正問題をきっかけとする混乱の中で、今後は成長投資の遅れや人手不足などの課題解決が求められる。
中部経済連合会は5日、柘植康英副会長(73、JR東海相談役)が同日付で会長に就任したと発表した。勝野哲会長(72、中部電力前会長)は退任した。中部電力のデータ不正問題を端点に、リーダーの急きょ交代という混乱に見舞われた一方、地域課題として成長投資の遅れや人手不足が残る。停滞なく中部経済界をけん引することが求められる。
柘植新会長は名古屋市内の会見で、急な交代の中で重責を担うことになったと述べ、社会人生活の最後のご奉公として中経連活動に全力を傾注したいと語った。歴代会長の多くが中電出身だったが、同日には副会長の林欣吾氏も退任しており、中経連の会長・副会長に中電出身者が不在となるのは約69年ぶりと指摘された。
一方で柘植氏はJR東海出身者としては初の会長就任となる。柘植氏はJR東海の社長・会長経験と副会長を12年間務めた経歴を強調し、幅広いネットワークを中経連の会長として生かしたいと述べた。スローガンには「中部を強く、日本を強く。強みを磨き、新しい強みを創る」を掲げ、ものづくり現場の新技術実装や人材投資、広域連携を後押しする考えを示した。
中部はリニア中央新幹線や名古屋駅の再開発といった大型プロジェクトの課題が残り、観光振興の遅れも指摘されている。愛知県が副首都指定を目指すなか、地域のプロジェクトや課題に寄り添い、地域経済の成長軌道を鮮明にできるかが問われる。勝野氏は会見前のあいさつで、広域団体として地域の声をつなぐ役割を今後も担ってほしいと述べた。