日銀が物価上昇率の目標2%到達を表明した。達成まで14年を要した一方、生活実感との乖離が指摘され、今後の政策運用について実態に即した柔軟性が求められる。何が起きたかを中心に伝える。
日銀は2023年10月30日、物価上昇率が目標の2%に到達したと表明した。2013年1月に2%目標を設定して以降、実現には長い年月を要したことになる。
ただし暮らしや経済の実感には改善が乏しく、円安と輸入品の高騰で商品やサービス価格が上昇し、賃金がそれに追いついていない。スタグフレーションの懸念が強まっているのが現状だ。
物価高への対応として、従来の金融緩和路線や財政政策の柔軟な組み合わせを進めるべきだとの見方が示された。日銀は過去にマイナス金利を含む異次元緩和を実施し、財政部門との協調を重視してきたが、現状は政策の整合性が問われている。
IMFは世界経済見通しで日本の名目GDPが将来、世界内順位を4位から6位へ転落する可能性を指摘しており、デジタル投資や成長戦略の強化が富の流出抑制に不可欠だと指摘されている。