10月後半に新設されるAI関連ファンドは、米国巨大企業だけでなく日本・アジアの製造・供給関連企業を投資対象に含める方針を示している。
AI投資の主導が米国の大手テック企業一辺倒から、日本やアジアの企業へ広がる動きを、10月後半に設定された新規ファンドの動きが示している。イーストスプリング・アジア・テクノロジー関連株式ファンド(愛称アジアテック)は、日本を含むアジアのテクノロジー企業に投資するアクティブファンドとして設定され、AIの普及に伴う半導体・電子部品・サーバー関連設備の供給網に着目する。一方、東京海上アセットマネジメントの「東京海上・フィジカルAI日本株ファンド」は、日本市場の現実空間で活用されるAI、すなわちフィジカルAIに関連する企業を選別して投資する。
アジアテックは、AIサーバーやデータセンター増設に伴う需要拡大を受け、約1000銘柄から厳選して40〜60銘柄程度に絞り込む方針を取る。ポートフォリオは台湾・韓国・中国・日本などで分散され、現地調査チームによる企業分析を特徴とする。フィジカルAI日本株ファンドは、産業用ロボットや自動化関連の日本企業を中心に銘柄選定を行い、既存事業の競争力とバリュエーションも評価材料にする。
日本とアジアの強みの違いを踏まえ、両ファンドはAIの成長機会を異なる視点で捉える。日本はAIを現場の生産性向上にどう活用するかに焦点を当て、アジアは半導体・電子部品・サーバー関連の供給網を担う企業に注目する。投資収益を左右する要因として、日本の自動化需要や既存事業の競争力、アジア企業には世界的な半導体需要や米中の通商政策の影響が大きい点が挙げられる。
AI投資の次段階として、対象地域を米国だけでなく日本・アジアへと広げる動きが顕著で、今後の成長機会は「技術の普及を支える企業」と「現実世界での応用を担う企業」の双方に存在すると指摘されている。