円相場が岐路に立つ中、7月の日米協調介入で一時的な安定を見せつつも、9月には152円台へ円高・ドル安方向へ転じる場面も。中東情勢や財政懸念などの要因が継続的な影響を与える可能性が指摘されている。
7月末に日米協調介入が実施され、円安・ドル高が進んだ場面から、介入額は過去最高水準の15.4兆円に達したとされる。その後も円相場は一時的に円高方向へ動いたものの、長期的なファンダメンタルズは円安・ドル高の圧力を完全には解消していない。
9月には市場の材料が変化し、円は再び動意づいた。FRBの利上げ観測や日米金利差の拡大懸念が円安圧力を高めた一方、財政悪化懸念や財政政策の動向も影響していると分析される。結果として、円は9月9日に152円台まで円高が進む局面を見せた。
市場の投機姿勢にも変化が見られ、IMMの非商業部門のポジションは8月初旬まで売り越しが縮小し、9月には買い越しに転じた。FX取引や海外資本の動きも含め、円相場の短期的な動きは投機筋の思惑とファンダメンタルズの両方に左右されている。
長期的には購買力平価要因や対外資産要因が円安・ドル高圧力を緩める方向で作用する可能性がある一方、輸入原油価格の上昇や財政政策の不確実性が圧力を保つ可能性もある。日米金利差の推移次第で円相場の転機が生じ得るが、現時点では明確な方向性は見えづらい。
円安・ドル高のトレンドを変える契機として、中東情勢の安定化や財源確保に向けた財政改革、日銀の利上げペースの加速などが挙げられる。現状の経済ファンダメンタルズは急速な変化を示していないものの、今後の展開次第で状況が変わり得る。