米ドル円は159円台後半まで上昇し、160円突破の可能性が浮上。イラン情勢と原油高などを背景に、日銀の対応と債券市場の動向が円安余地を決める3点の視点を野村證券の後藤祐二朗が解説した。
米ドル円相場は一時159円台後半まで上昇し、年初来高値を更新した。イラン情勢の混迷は原油価格の上昇を通じて円安圧力を強め、原油高が需給面で円安を後押しする局面が続くと指摘されている。市場心理の不安定さはVIXの上昇にも反映されており、円全面安にはまだ至っていないが、原油上昇局面では円安リスクが高まりやすい時間帯になるという見方だ。
三つの注目点のうち第一はインフレ期待上昇リスクと日銀の対応である。原油高が続く場合、日銀を含む主要中銀の政策決定が円安圧力を強める可能性があり、インフレ期待の上昇が早期利上げを促すかどうかが焦点となる。現状の日本の長期インフレ期待は限定的だが、金融政策の動向次第で円安圧力が変化する可能性がある。
第二は債券市場の不安定化と介入機運の要因だ。インフレ期待の動向と日銀の対応は債券市場の安定性を左右し、不安定化が再び高まれば円買い介入の可能性が再燃する可能性がある。日米の債券市場の状況が円の動きを左右する要因として注目されている。
第三はキャリー取引の持ち高解消の加速可能性である。市場ボラティリティの上昇が進む中、キャリーバスケットのポジション調整が円買い戻しを誘発する局面が生じる可能性がある。現在は円キャリーの巻き戻し余地は限定的との見方だが、ボラティリティの動向次第で変化する可能性がある。