日銀は12月の利上げに向けた地ならしを示したが、自然利子率の不確実性は残る。政策金利の正確な動向は今後の経済指標次第となる。
日銀は事実上、12月の利上げに向けた地ならしを済ませたと報じられ、借入コストは中立圏に近づいた後の今後の上昇幅は不明瞭なままに留まる。インフレ圧力が定着する中で、家庭や企業の資金負担が脆弱な景気回復を損なわずどこまで吸収できるかが焦点となっている。
日銀の総裁は、経済と物価の動きをもう少し見極めるため利上げを見送る選択を示唆しつつ、12月に政策金利を1.5%へ引き上げる可能性を示唆した。会合を含め今後の物価リスクに注意を払いながら議論を進める方針と伝えられる。
日本経済は第2四半期に年率1.4%で成長し、中東紛争による逆風にもかかわらず企業支出が増加。9月のコアインフレ率は前年同月比2.1%に達し、日銀の目標2%を上回った。燃料補助金の抑制効果を上回る物価圧力が観測された。
日銀の自然利子率に関する不確実性が、着実な利上げ方針を一部説明している。日銀スタッフの試算では名目自然利子率は1.1%から2.5%の間とされ、どの程度借入コストを引き上げられるかの目安となるが、実測は困難でモデル差も大きい。これが物価圧力と借入コストの関係性を見極めるうえでの不確実性を生んでいる。