日本IBMの最新調査で、AIベンダーやモデルへの依存を十分に把握していない企業が9割に上ることが分かった。外部要因の変化で業務が止まるリスクや、ベンダー切替の難しさも指摘されている。
AIを企業業務の根幹に取り込む一方で、システム内部の構造や依存関係を把握できていない企業が89%に達する。1週間程度AIサービスが停止した場合の業務全体の機能不全を75%が懸念しており、現状のリスク認識不足が顕著である。
外部環境の変化に対し、国内企業の69%がベンダー切り替えを困難と感じている。複数ベンダー導入企業は多いが、部門別の独立した意思決定や地域要件が戦略的なリスク分散にはつながっていないとの指摘もある。過去2年間で平均6回のシステム障害を経験している点も挙げられる。
ブラックボックス化を回避し自社でAIを制御できる基盤を整えた組織は成果を上げている。コントロール能力が高い先進企業はわずか7%にとどまる一方で、AIに起因する混乱による営業利益影響を他社と比べ55%多く抑制できたとの傾向がある。
日本の経営層の68%はベンダー選択の自由度と柔軟性を確保するためなら20%のコスト増加も許容する姿勢を見せている。最終的には、特定ベンダーへの過度な依存を断ち切り自律的にAIを統制する“AI主権”の確立が経営防衛の鍵となるとの見解が示される。