日本IBMが公開したIBM IBVの最新調査によると、AIを基幹業務へ組み込む企業が増える一方で、コントロール不足とベンダー依存・データ主権の課題が企業リスクを高めている。
世界中の経営層1,000名を対象に実施した調査では、主要なAIベンダーやAIモデルを切り替えるのが難しいと回答した割合が約7割にのぼり、運用上の制約が顕在化している。日本市場でも同様の傾向が確認され、データが国を超えて移行・運用される際の複雑性が指摘された。
データレジデンシーやデータ主権の要件への対応も課題として挙げられ、企業はAIシステムやデータを異なる環境間で移動・運用する際の負荷が高まっている。AI活用の拡大と規制要件の強化が進む中、AIに対するコントロールを一層強化する必要性が強調された。
可視性の不足も大きな課題として浮上し、自社が利用するAIベンダー、AIモデル、インフラストラクチャーにまたがる依存関係を十分に把握できていない企業が約9割に上るとの回答が示された。その結果、リスク評価や障害時の対応計画の策定が難しくなっている。
また、過去2年間でAI関連の障害・混乱を平均6件経験したとされ、原因としてAIベンダーのサービスに起因する問題が挙げられた。AIベンダーのサービスが7日間停止した場合に自社業務へ深刻な影響が及ぶと考える回答も約8割に達している。
調査は、データ・モデル・インフラストラクチャーの柔軟な適応性を備えたAIシステムを構築する企業が他社を上回る成果を挙げると示唆しており、複数ベンダーを採用する企業の割合も高い一方で、それは組織の運営上の必要性による側面が大きいとの分析がある。