三菱電機が鴻海と協業して液冷データセンター市場への本格展開を準備している。IR資料にはDLCを中心とした次世代冷却技術とPUE1.1の実現を目指す共創構想が具体化している。
三菱電機は昨年11月に台湾の鴻海精密工業とAIデータセンター向けソリューションで協業する覚書を締結した。2026年のIR資料では液冷分野の強化とともに、DLCを中心とする次世代冷却システムや二相液冷、フリークーリング、次世代高効率ドライクーラーの導入が明記され、鴻海との共創を通じてPUE1.1を目指すとされている。
三菱電機はデータセンター全体を動かす電源系統とIT Coolingを中心に、電源・冷却・制御を組み合わせた“データセンタートータル冷却ソリューション”を目指す方針を示しており、2025年度のIT Cooling売上高の成長計画を公表している。
鴻海はAIサーバー・ラック・ITモジュールの大規模生産・統合を得意としており、Schneider Electricと協業するなどAIインフラの全体設計力を強化している。日本企業と台湾企業の協業により、GPU世代の変化に対応した実機検証と量産体制を同時に進めることが想定される。
日本企業が液冷市場へ参入する際の選択肢として、台湾のサーマル企業と共同開発・検証・市場投入を行うモデルが提案されている。鴻海を含む台湾の産業集積は、液冷装置の部品供給だけでなく、AIサーバーの設計・検証・量産までを包括的に支える基盤として位置づけられている。