衆院選で自民党が議席を伸ばしたのを受け、金融市場では円高・米ドル安が進行。長期金利は横ばい圏、株式市場は反応を見せつつも今後の政策修正への期待が広がる。日銀の追加利上げ時期は9月が想定されている。
衆院選の投開票日となった2026年2月8日、自民党が戦後最多の316議席を獲得した。株式市場は反応して上昇する一方、債券市場では長期金利が横ばい圏、外国為替市場では円高・米ドル安が進む動きが見られた。野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんは、こうした動きの背景に政権基盤の安定と積極財政の実行表現の不確実さを挙げ、政策修正への期待が金利や為替の変動を抑制した可能性を指摘した。
株高の持続性に疑問が出る中、円安を促す材料が弱まる可能性があり、160円付近での防衛ラインが市場のチェック機能となっているとの見方が示された。米中の動向や米国の金利見通し、トランプ大統領の政策姿勢も円相場へ影響を及ぼす要因として挙げられ、日銀の利上げ時期にも影響を及ぼし得るとの解説があった。
防衛費の増額先送りの可能性や、消費税減税の見直しといった政策修正は、金利上昇を抑制する方向に寄与する可能性があるとの見方が示された。2年間限定の減税策の選挙結果への寄与が小さかったとの指摘もあり、国民会議を経て新たな財政手段へ落ち着く可能性が示唆された。日銀の追加利上げは9月の会合を想定する声が多く、コストプッシュ的な要因と国際的な金利動向を踏まえた上での判断が予測されている。
日銀の追加利上げは、政権への配慮を示しつつも金融政策の正常化を優先する姿勢が読み取れる。木内氏は、日銀が2026年前半に追加利上げを検討しているとの市場の見方を紹介する一方、実際には高市政権の財政方針の行方やFRBの動向次第で、利上げのタイミングが遅れる可能性を指摘した。本文では、2025年のCPI伸びが低下する見通しにも触れ、利上げが必要かどうかは中立金利との比較を踏まえた判断になるとされる。