日銀のマイナス金利終了と政策金利の段階的な引き上げを受け、住宅ローン金利は0%台から1%台へと上昇。変動金利は日銀動向の影響を受けやすくなり、固定金利との差が拡大する局面だ。
2024年3月に日銀がマイナス金利政策を終了して以降、金利は「金利を下げ続ける時代」から「金利を正常化する時代」へ移行した。変動金利の基準となる市場金利や資金調達コスト、顧客への優遇幅などが影響を受け、住宅ローン金利の動向が大きく変化することになった。
日銀の政策金利は段階的に上昇し、2024年7月には0.25%程度、2025年1月には0.5%程度、2025年12月には0.75%程度、2026年6月には1.0%程度、2026年9月には1.25%程度へと推移する見通しが整理された。現在も無担保コールレートは1.25%程度で推移する方針としている。
日銀の政策金利と住宅ローン金利は直接同じ数字にはならない。銀行は市場金利や資金調達コスト、競争環境、優遇幅、信用リスクなどを総合的に勘案して金利を設定するため、同一ではない。日銀の動きは変動金利に特に影響を及ぼしやすいと説明されている。
実例としてPayPay銀行の新規借入れ向け変動金利は2024年4月0.380%から、2026年7月には1.330%、2026年10月には1.580%へ上昇している。三菱UFJ銀行では同時点で変動金利が年1.195%、店頭表示金利が年3.375%で、基準金利と適用金利の差によって実際の金利は異なるとされる。
固定金利が高止まりする理由として、将来の金利上昇リスクを金融機関が負うためであり、変動金利が低く見えても長期的には状況次第で負担が増える可能性がある。将来35年間の返済を想定した場合、金利が上がると月額返済額や総返済額が大きく変動することが示されている。
今後は「金利を当てること」よりも、金利上昇に耐えられるローン設計やストレステストが重要になるとの指摘があり、金利が2%、3%と上昇した場合の家計への影響を想定した返済計画の検討が求められている。不動産価格にも金利上昇の影響が及ぶ可能性がある。