日銀が利上げを実施したにもかかわらず円安が続き、米金利上昇が主因とみられる。キャリー取引の調達通貨は円からスイスフランへと移行する動きが出ている。
日銀は政策金利を1.00%から1.25%へ25bp引き上げたが、日銀審議委員の浅田統一郎氏と佐藤綾野氏の反対票により市場の受け止めは「日銀はハト派」と見做される状況になった。利上げ自体は進行しているものの、株式市場や為替市場の反応は限定的で、円安材料として働くには米金利の動きが大きいことが露呈した。
米金利差は日銀の利上げ以上に動き、米2年債利回りが上昇幅を広げ、日米の金利差は拡大。9月23日には米長期金利が2007年以来の高水準に達し、ドル高が継続する構図が強まった。これに対して日銀2年債の利回りは大きく動かず、円安の主因は日銀の動きよりも米金利の上昇にあると整理される。
為替市場は過去1週間ボラティリティが低く、ユーロ/米ドルはレンジ内にとどまるなど「低ボラ」が続出。キャリートレードの条件として成長と低ボラが挙げられ、円を含む低金利通貨を売って高金利通貨を買う流れが維持されている。
現在の円キャリーの主役が円からスイスフランへと移行する兆しが出ている。日銀の誘導目標金利と比較してSNBは0%で、年内の利上げ見通しも薄い中、円よりもスイスフランの調達コストが有利になる場面が増えているとの見方がある。さらに、7月の協調介入や「胴元」発言の影響で介入リスクは依然と高いが、実際の動きはCHFの方が抑制的に推移している。
今後の焦点としては、9月24日のSNB会合と日銀の金融政策決定会合での動向が挙げられる。これらを受けて、スイスフラン/円の戻り売りや円キャリーの再編がどう進むか注目される。