フジクラがHelical Fusionへ出資を決定し、同社の核融合炉に高温超電導線材を組み込み、設計段階からの技術協力も視野に入れることで次世代エネルギーの社会実装を加速する。
株式会社フジクラはヘリカル方式による核融合炉の開発を進めるHelical Fusionへ資金を出資すると発表した。出資を通じて同社の線材技術を核融合炉の基幹部品として活用し、社会実装の加速を目指す。出資の背景には商用化に向けた産業基盤の構築がある。
Helical Fusionは自然科学研究機構核融合科学研究所の研究成果を基盤とする企業で、螺旋状マグネットを用いるヘリカル方式を採用して長時間の安定運転を実現しやすいと説明されている。その磁場を生み出す螺旋状マグネットの性能は、フジクラが長年培ってきたレアアース系高温超電導線材の技術に依存する。
高温超電導線材は液体窒素温度で抵抗ゼロを保つ特性を持ち、超高磁場環境下でも臨界電流を維持できるとされる。フジクラは出資を機に材料供給だけでなく核融合炉の設計段階からの技術協力も視野に入れており、次世代インフラとしての実現を目指す。
2030年代以降の商用炉稼働を見据えた連携は、AIデータセンター増加に伴う電力需要の増大に対応するエネルギー供給基盤の強化を含む。素材メーカーの高度技術とスタートアップの革新的設計が融合することで、日本の核融合産業が世界のエネルギー変革を牽引するとの期待が高まっている。