工場固定資産の減損兆候と将来キャッシュ・フロー見積り
FY2022に初出。5回の記載のうち1回が「対処」で、最初の「対処」はFY2023。直近の記載はFY2026-H1。
イクヨがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2025年。同じテーマの他社の中央値(2023年)より2年遅い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2020年。15社中5社が悪化側に。
直近の記載が「顕在化」なのは、ほかに13社。
- FY2026-H1顕在化有価証券報告書
「「自動車部品」セグメントにおいて、厚木工場の土地の譲渡及び生産性の向上に向けた新拠点への移転等の再生プランの進行に伴い、厚木工場に帰属する固定資産に係る減損損失を計上しております。なお、当該減損損失の計上額は、当中間連結会計期間においては2,578,107千円であります。」
厚木工場の固定資産について減損損失2,578,107千円を実際に計上し、前期までの減損兆候に関する不確実性が損失として発生した。 - FY2025悪化有価証券報告書
「なお、当連結会計年度において、親会社である株式会社イクヨの一部の工場の固定資産に減損の兆候が存在しておりますが、事業計画や過年度の中期的な実績等を基礎とし、当該工場の割引前将来キャッシュ・フローを見積もった結果、当該工場の固定資産の簿価を上回るため減損損失の認識は行っておりません。」
前期に減損兆候なしとした記載から変わり、一部工場で減損兆候が存在すると明示している。ただし、将来キャッシュ・フローが簿価を上回るため減損損失は認識していない。 - FY2024減損兆候に関する記載が併存有価証券報告書
「なお、当連結会計年度において、当社グループの一部の工場の固定資産に減損の兆候が存在しておりますが、事業計画や過年度の中期的な実績等を基礎とし、当該工場の割引前将来キャッシュ・フローを見積もった結果、当該工場の固定資産の簿価を上回るため減損損失の認識は行っておりません。ただし当該割引前将来キャッシュ・フローは不確実性を伴うものであり、将来の実績が見積りと異なった場合には翌連結会計年度の連結財務諸表において、有形・無形固定資産の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。減損の兆候となり得る事象が生じていないことから、各工場の固定資産に減損の兆候は認められないと判断しております。」
一部工場の固定資産に減損の兆候が存在するとする記載と、将来キャッシュ・フローが簿価を上回るため減損損失を認識しないとの記載がある。また、末尾では各工場に減損の兆候は認められないと判断したとしている。 - FY2023対処有価証券報告書
「なお、当連結会計年度において、減損の兆候となり得る事象が生じていないことから、各工場の固定資産に減損の兆候は認められないと判断しております。」
前期に減損兆候が存在するとされた複数工場の固定資産について、当連結会計年度は減損兆候を認めていないと記載している。 - FY2022初出有価証券報告書
「当事業年度においては、新型コロナウイルスの流行の影響等により当社の売上高は前事業年度比で大幅に減少しており、当該減少に起因して当社の複数の工場の固定資産に減損の兆候が存在しております。これらの資産に係る減損の認識要否について、新型コロナウイルスの影響から引き続き段階的な回復を継続し、翌事業年度末までに収束するとの仮定のもと、事業計画や過年度の中期的な実績等を基礎とし、各工場の割引前将来キャッシュフローを見積もった結果、各工場の固定資産の簿価を上回るため減損損失の認識は行っておりません。」
複数工場の固定資産に減損兆候が存在する一方、翌事業年度末までの回復を仮定した将来キャッシュ・フロー見積りにより、当期は減損損失を認識していない。