インターネット・AI関連業界の変化と新技術対応遅延
FY2019に初出。5回の記載のうち3回が「再定義」で、最初の「再定義」はFY2021。直近の記載はFY2026。
ディー・エヌ・エーがこのテーマで「悪化」側に入ったのは2026年。同じテーマの他社とほぼ同じ時期。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2026年。32社中9社が悪化側に。
直近の記載が「再定義」なのは、ほかに2社。
- FY2026再定義有価証券報告書
「さらに、AI技術に関しては、一般的にAI技術を用いたサービスの信頼性や正確性、有用性、安全性等が論点となりうるほか、AI技術の利用の態様によっては、人間の尊厳、プライバシー、公平性、透明性等に関わる倫理的な問題が生じる可能性があります。また、AI技術の開発、提供、または利用の過程において、学習データ、入力情報、生成物その他のデータの取扱いによっては、第三者の著作権その他の知的財産権を侵害し、または当社グループもしくは顧客その他の取引先の営業秘密、個人情報等が漏洩するおそれがあります。」
AIリスクは信頼性・倫理性に加え、学習データ・入力情報・生成物を通じた著作権等の侵害、営業秘密・個人情報の漏洩、サービス停止及び信用低下へ具体化された。 - 2026-05-12再定義業績予想の修正
「これらの新規事業は外部のLLM(大規模言語モデル。Large Language Model)等のサービスに依拠しており、当該外部サービスの不具合、停止、仕様変更もしくは終了が発生した場合、新規事業の品質(回答精度、応答速度、出力傾向等)が変化することまたは新規事業の開発、提供等が不可能もしくは困難となる可能性があります。」
AI関連リスクが、新技術への対応遅延や倫理的問題に加え、外部LLMサービスへの依存とその不具合・停止・仕様変更・終了に伴うリスクへ具体化されている。 - FY2023再掲有価証券報告書
「インターネット及びAIを活用したサービスの企画立案及び実施にあたっては、コンプライアンス・リスク管理部門も含めた多角的な事業検討を行う管理体制を構築し、リスクの低減を図っています。」
AI・インターネットの技術革新、競争力低下、倫理的問題等のリスクと、多角的な事業検討による対応が継続している。 - FY2021再定義有価証券報告書
「さらに、AI技術に関しては、一般的にAI技術を用いたサービスの信頼性や正確性、有用性が論点となりうるほか、AI技術の利用の態様によっては、人間の尊厳、プライバシー、公平性、透明性等に関わる倫理的な問題が生じる可能性があります。」
インターネット・AIのリスクが、市場構造変化や対応遅延だけでなく、AIサービスの信頼性・正確性・有用性及び人間の尊厳、プライバシー、公平性、透明性に関する倫理的問題まで広げて記載されている。 - FY2019初出有価証券報告書
「当社グループは、特にスマートフォン等のモバイル端末向けインターネットサービスに強みを持ち、ゲームをはじめとした各種サービスを展開し、AI(人工知能)技術の活用によるサービス価値向上に向けた取り組みを進めておりますが、当社グループが提供するサービスに関連した市場における新規参入によるシェアの急変や新たなビジネスモデルの登場等による市場の構造変化が、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。」
新規参入、新ビジネスモデル、市場構造変化、新技術への対応遅延や対応費用を、インターネット・AI関連事業のリスクとして具体化している。