日産自動車は米国の組立工場に3直制を導入し、既存設備の稼働で米国内生産をほぼ倍増させる方針を明らかにした。新工場建設を伴わず、2027年型ローグ投入に合わせて体制を整える。
日産は米国内の現有工場のラインを3直制へ拡張することで、生産能力を現在の規模からほぼ倍増させる計画を示した。ローグ・クロスオーバーの2027年型を発売するタイミングに合わせ、追加の生産体制を整えることで新規設備投資を抑える方針だ。
現在の米国生産は2直制でフル稼働しているとし、3直目を追加すれば年間生産台数は約48万7000台から約100万台へ引き上げられる見込みという。ローグ・ハイブリッドの投入もこの戦略の要となる。
日産は新工場の計画を持たず、既存工場の稼働率向上を軸に米国内生産の拡大を目指す。テネシー州スマーナ工場とミシシッピ州カントン工場の現状を維持しつつ、追加雇用を伴う生産増を想定している。財務面では直近の四半期で利益回復が見られる一方、関税や市場環境の変動を受けた影響が今後の採算に影響を与える可能性がある。
日産のローグe-Powerハイブリッドは米市場に初めて投入され、ガソリンエンジンを発電用に使用するハイブリッドシステムを採用する。関税の影響下で、従来型ハイブリッドやEVよりも手掛かりとなるソリューションとして位置づけられる見込みだ。
米国市場の生産拡大は、日産が関税環境下で自社工場の有効活用を進める一例として注目される。今後数四半期の実行力や販売動向次第で、ターンアラウンドの成否が問われる見通しである。