日銀が政策金利を引き上げたことで、円キャリートレードを支えてきた低金利環境が崩れつつある。世界の資産市場にも波及する事象として、今後の展開が注目される。
日本銀行が政策金利を1.25%まで引き上げ、長年続いた低金利と追加的な流動性供給の時代に終止符が近づく局面となった。これにより、円を借りて海外の資産へ投資する円キャリートレードをめぐる市場の構図が変化しつつある。
円キャリートレードはこれまで、低金利の円を借りて高利回り資産へ投資する動きを背景に拡大してきた。今回の利上げで、日本の政策金利が中立金利に近づく中、この取引の計算が崩れ始めているとの見方が示されている。
日本の財政面ではGDP比で政府債務が200%を超える水準が指摘され、人口減少とエネルギー輸入コストの上昇がリスク要因として挙げられている。円高・円安の動きが世界の市場へ波及する可能性もある。
金利動向の変化は国際的な文脈にも影響を及ぼしうる。米国政権の動向や為替の力学を通じて、円の流動性が縮小される局面が想定され、株式・債券・商品市場に波及するリスクが高まっている。