ニデックの岸田光哉社長が辞任し、後任に戒田理夫氏が就任した。永守重信前会長の影響下で続いた経営体制の“脱永守”を巡る動きや、内部改革の進展と財務状況の焦点が浮き彫りになっている。
岸田光哉社長が辞任し、創業者の永守重信氏の後任として社長に就任していたが、今回の人事で戒田理夫氏が新社長として起用された。戒田氏は元々ニデックのプロパーであり、永守氏に抜擢されて本社入りした経歴を持つ。この人事は、夏頃から社外取締役らが後任探しを進める中での最終決定であり、火中の栗を拾う形となった。
内部の動きとして、社外取締役を中心とする取締役会が岸田氏の後任を探す動きを進め、結局専務執行役員だった戒田氏が後任に決定した。これにより、永守氏との距離を意識した組織改革の一環として「脱永守」を進めるべく体制を整える判断が下されたとみられる。
25年度決算の最終損益は5646億円の巨額赤字となり、監査法人からは意見不表明が突きつけられた。上場維持を巡る状況が悪化する中、永守氏の影響力の整理と経営責任の所在をどう清算していくかが鍵となる。戒田氏には、グループ内で永守氏に近い役員の一人としての立場と、今後の舵取りが問われることになる。
永守氏は経営責任を公の場で説明する機会を避け、近影はあっても記者会見などの取材対応をこれまで控えている。9月には「永守賞」の授賞式に現れたものの、通常の入場経路を避けるなど警戒姿勢を崩していない。戒田氏の新体制がどの程度永守氏の影響を断ち切る方向に進むのか、今後の市場の注目点となる。