円安が多数派とされる現状で、日銀の利上げ見通しや財政赤字の拡大が市場の注目点となっている。逆張り視点から円高シナリオの可能性を検討する。
政府は2027年度予算の概算要求を総額でおおむね143兆円前後と見込んでおり、補正予算を含めて一体的に編成する方針が背景にある。財政赤字は先進国の中で相対的に小さくとも、国債発行額の動向や財政健全性の懸念は根強い。
為替の決定要因として日米の金利差は重要視され、現在の5年国債利回りは米4.5% 日本2.2%の差となっている。これにより資金の移動が促され、金利差がドル円の水準に影響を与える可能性がある。
市場では来年末の政策金利が1.9%程度まで上昇するとの見方がある一方、食料品の消費税引き下げやエネルギー補助金などを通じたインフレ対策が円安にとって望ましくないとの見方もある。
財政悪化は日本だけの問題ではなく主要国共通の課題であり、名目GDPの拡大と税収改善を背景に財政赤字が相対的に小さく見える局面もある。長期的には国債利回りの状況が財政の規律を均す要因になり得る。
金利差からみた為替の判断では、日米金利差が現状2.3ポイント程度であり、ドル円が130円台前半で推移しても不自然ではないとの指摘もある。
円高シナリオを巡る論点として、日銀の金融政策の運用や政府の財政支出の方向性が今後の差を生む可能性があり、来年度の予算成立や国債発行額の動向に注目が集まる。