円安による利益押し上げの一方で、原材料高など副作用への警戒感が強まっている。適正水準の見直しも進み、企業は為替の安定性を重視する傾向が広がっているとされます。
今週の決算発表では、日米協調介入を背景に円安が企業の業績を押し上げる場面が見られた。輸出比率の高い企業では利益を押し上げた一方、原材料価格の高騰と国内需要の低迷、さらには人件費負担の増加が副作用として警戒されている。円安が常に有利とは言えないとの指摘も増えている。
三菱電機は2027年3月期の連結予想を上方修正したが、前提為替を150円としたまま、円安がさらに業績を上ぶせる可能性に言及した。トヨタ自動車も前提レートを円安方向に見直して通期予想を引き上げ、三井物産は四半期で最高益を更新した。
一方でデンソーやシャープはそれぞれ利益見通しを下方修正するなど、円安だけが利益要因ではないことが浮き彫りとなった。吉野家ホールディングスは海外事業のプラス効果と国内の輸入コスト上昇を両面として認識している。
企業の適正水準観は変化しており、120円台への回帰を前提とせず、150円前後や160円近辺のシナリオを想定する声が増えている。ジェトロの調査では望ましいレートの分布が120–124円が最多だが、135円以上を選ぶ企業が増加している。
円安の恩恵は一部にとどまり、為替のボラティリティと副作用が計画性へ影響を及ぼしているとの認識が広がっている。機械的な為替追従ではなく、安定性を重視する動きが強まっている。