今週の決算シーズンで円安が企業業績を押し上げた一方、原材料価格の上昇や国内消費の低迷といった副作用への警戒が広がっている。円安の適正水準として120円台への回帰を前提としない見方も増えている。
今週の日本企業の決算では、円安が海外事業の利益を押し上げた反面、原材料費の上昇や国内市場の落ち込み、人件費負担の増加などが副作用として顕在化している。日米の経済状況の差異から、適正水準とされる円相場の回帰を楽観視しない見方が広がっている。
三菱電機のCFOは4─6月期の為替が想定より円安で推移したため、2027年3月期の連結予想を上方修正した。一方、トヨタ自動車は前提レートを円安方向に見直し、決算予想を上方修正。田中CFOは海外事業の利益が大宗を占むことを説明した。
円安のメリットだけを強調する企業は少なく、エネルギー価格上昇や部材費の高騰がコスト圧迫要因として挙げられる。シャープは従来予想を下方修正し、カゴメは利益見通しを引き下げた。ジェトロの分析では、望ましい為替レートは120〜124円が最多だが、145〜149円を選ぶ企業も増えている。
ボラティリティの高さを警戒する動きもあり、協調介入後の急激な円高・円安の変動が収益計画や投資判断に影響を及ぼすとの認識が広がっている。伊藤忠商事やトヨタ、マツダなどの企業は安定した為替水準を望む声を示しつつ、長期的な円安にも対応する姿勢を示している。