日本企業の財務戦略は現金を積むこと中心から、資本をどこにどう配置するかへと移行している。転換社債CBの復活や多様な調達手段の活用が進み、金利上昇局面でも資本コストの最適化を図る動きが鮮明だ。
日本企業の財務戦略は、現金の積み増しより資本の配置方法の最適化へと関心が移ってきている。低金利環境が長く続いた時期を経て、日本銀行の金利引き上げが持続する中、企業は借入や資本市場を組み合わせ、株式と債券の性格を混ぜる手法を取り入れている。
代表的な変化として転換社債CBの復活が挙げられる。CBは株式転換の可能性を投資家に提供しつつ、企業側には一般社債より低金利で資金を調達できる利点がある。2025年上半期のCB発行額は約1兆716億円と、04年以降22年ぶりの高水準となった。
具体例として日本製鉄がUSスチール買収に約2兆円を投入した事例がある。買収後には短期資金を長期資金へ変換する過程で多様な調達手段を活用し、劣後融資とCB、JBICを組み合わせて資本構成を最適化した。
同様の動きを取るJX金属は総額2500億円規模のゼロクーポンCBを発行。今後の資金のうち、約2776億円のうち1949億円を大株主の買付けに、827億円を成長事業投資に充てる計画とされ、財務戦略の柔軟性を確保しつつ株式価値への影響を見極めている。