ドル円は155円の防衛線を下抜け、一時152円台後半まで急落した。ベッセント発言を背景にドル高是正の動きが強まり、今後は米CPIと日米中銀会合を前に神経質な展開が予想される。
ドル円相場は長らく強力な下値支持線として機能してきた155円を割り込み、一時152円台後半へと下落した。背景には日銀の利上げ思惑や国内機関投資家の資金本国回帰、ベッセント米財務長官の円安是正圧力が市場心理を冷やした点が挙げられる。
市場が警戒するのは、米財務省がドル高是正を強調する姿勢を示している点だ。ドル高の修正を志向する財政・通商政策の転換が、円売りポジションの整理を促している可能性がある。
日米協調介入の有無をめぐる噂はあったものの、公的介入の実施は確認されず、介入なしに155円を割り込んだ現実が示すのは、実需とポジション調整が主導する自然な円買い戻しの動きだという見方である。
今後の焦点は155円が再び上値抵抗線として機能するかどうかと、152円割れ後の下値余地だ。米CPIをきっかけとするドル売りの加速や、日銀会合での前向きな金融政策示唆があれば、日米金利差の縮小が現実味を帯び、150円台へ向かう展開が想定されうる。パリティ近辺の動きには敏感さが増すだろう。