アシックスが9日に最大700億円の自社株買いを発表。市場の反応は限定的で、株価は発表後に一時上昇もその後は再び下落する展開となった。
日経平均は下落基調で終値が6万4011円と1カ月ぶり安値を更新。原油高と世界的な金利上昇が景気を押し下げ、AI・半導体関連株の売りが相場の重荷となった中、これまで景気の下支えだった自社株買いの効果には変化が見られるとの見方が出ている。
アシックスは9日、取引時間中に最大700億円の自社株買いを行うと発表。過去最大規模の自社株買いとして市場の注目を集めたが、株価は直後に上昇したものの、翌日以降は下落が続いた。広田康人会長CEOは株価は市場が決めるとしつつ、現状は適正水準から乖離しているとの認識を示した。
26年も自社株買いの発表は高水準を維持。秋の中間決算発表時に自社株買いを発表する企業が増える見込みだが、過去の例と比較して株価パフォーマンスの評価は弱含みとなっている。市場はROICとROEの水準を重視する動きが強まっているとの指摘がある。
別の市場関係者は、トヨタ自動車の8月発表の最大1兆円の自社株買いが材料視されにくい理由を指摘。投資家は自社株買いの背後にあるストーリーを重視しており、説明が弱いと評価が上がりにくいとの見方がある。
ネクソンは8月に特別配当を発表し、8420億円規模の現金を背景に株主還元を強化する方針を示す。正式決議は9月の取締役会で行われる予定で、現預金の多さから追加の特別配当継続の可能性が見込まれ、株価の回復要因となっている。