レゾナックとZenmuTechが共同で、機密データを開示せずに企業間データを活用できるMI基盤を構築した。化学メーカーA社のデータを用いた実証で、予測精度を高めることを確認した。
レゾナック・ホールディングスはZenmuTechと連携し、秘密計算ライブラリQueryAheadを活用した材料開発向けMI基盤を構築した。機密データを開示せず、企業間で材料開発データを結合して解析できる環境を整え、サプライヤー協力の下で実証を実施している。
実証テーマは半導体材料の開発で、化学メーカーA社が保有する材料データとレゾナックの配合条件・評価データを開示せずに結合し解析した。その結果、個別データのみの場合に比べ、流動性等の物性予測の誤差が約78%減少することが確認された。主成分分析と線形回帰を秘密計算環境上で実施し、通常環境での再現性も示した。
技術面では秘密分散に基づく秘密計算が主眼で、ISO/IEC 4922-2として国際規格化されたことやSIPの研究開発テーマとして社会実装が進むことが紹介されている。今回の取り組みは、機密保護とデータ利活用を両立させる新たな協業モデルの模索にもつながるとされている。
今後はデータの開示範囲や開示先など運用ルールの整備と、実証対象の拡大を進める予定。秘密計算を用いた企業間データ連携を材料開発の高度化とイノベーション創出につなげることを目指す。