過去30年の主な為替介入は、円高時だけでなく円安の局面でも実施されてきた。急激な変動や投機的動き、ファンダメンタルズ乖離を背景に、1995年以降の主要介入を時系列で振り返る。
本記事は、過去30年間の日本政府の為替介入の流れを整理し、介入の実施場面を「水準だけでなく変動の速さ・背景」を軸に振り返る。まず介入の正式名称が外国為替平衡操作であり、財務省が介入を決定し財務大臣の判断を経て実施することを解説している。
1995年には円高が急速に進み、1ドル79円台まで進んだ事実に対して円売り・ドル買い介入が行われ、同年後半には100円台へ戻った。1998年にはアジア通貨危機を背景に円安が進み、円買い・ドル売り介入が実施され、4月と6月に少なくとも数十億ドル規模の介入が行われた。
2003〜2004年にはデフレ局面での円高を抑えるため大規模な円売り・ドル買い介入を繰り返した。2010年には世界金融危機後の円高を警戒して約6年半ぶりの介入が実施され、2011年には東日本大震災後の混乱でG7協調介入のほか、日本の追加介入も行われた。
2022年には日米の金利差拡大を背景に円安が急速に進み、24年ぶりとなる円買い介入が実施され、9月および10月にかけて介入が継続した。2024年には1ドル160円前後まで円安が進行し、4月と5月にかけて総額で9兆7,885億円、7月には追加の介入が実施された。
2026年には過去最大規模の円買い介入へと発展し、4月末から6月にかけての介入総額が11兆7,349億円となった。7月には日米の協調介入も行われ、以降も介入額の公表が進む中で、相場の動きの速さが重視されるようになっている。
著者は、為替介入の実際には「1ドル何円か」という水準だけでなく、動きの速度・背景・投機的動きの有無・ファンダメンタルズとの乖離を総合的に見るべきだと指摘しており、企業の財務には変動スピードが与える影響を注意深く観察する必要がある。