KPMGジャパンは国内企業420社の回答を基に「サイバーセキュリティサーベイ2026/27」の速報版を公表。サイバーインシデントを経験した企業のうち41.4%で経済的損失が生じ、個人情報の漏えい事例も多い。生成AIの活用が広がる中、AIセキュリティの責任体制やガバナンスにも課題が浮かぶ。
速報版は国内上場企業と売上高1000億円以上の未上場企業を対象に、サイバーセキュリティ責任者や担当者の有効回答420社を集めた6月29日から8月12日までの調査結果を伝える。調査方法は郵送とWebアンケートで実施された。
サイバーインシデントの業務影響があった企業の41.4%で経済的損失が発生し、顧客・取引先の個人情報漏えいは32.3%、自社従業員の個人情報漏えいは31.3%に達した。過去1年の合計損失額の中には10億円以上との回答もあった。
攻撃手法では生成AIを悪用する可能性が高いものが増え、フィッシングやビジネスメール詐欺、ソーシャルエンジニアリング、ディープフェイクを用いた送金指示が挙げられた。委託先・取引先を経由した攻撃の割合は14.1%で最多となり前回から上昇した。
セキュリティ人材の不足を認識する企業は87.4%に達した。投資は前年から増加した企業が56.9%だった一方、サイバーセキュリティ中期計画を策定していない企業は41.3%に上る。AI活用の広がりと責任体制の遅れが同時に指摘された。
生成AIの利用・検討は96.6%、AIエージェントの活用は47.9%に及ぶ。AIセキュリティの責任者を定めている企業は26.8%、明確な責任者を定めていない企業は38.2%となる。AIガバナンスの整備状況には大きな差がある。