ベイン・アンド・カンパニーが開催したプレスセミナーの要点は、変革型ディールが世界・日本のM&A市場を牽引し、AI活用と地政学リスク対応が投資判断に影響を与える点である。2025年の世界M&Aは回復基調を維持し、日本のアウトバウンドM&Aが拡大していることも併せて伝えられた。
セミナーでは、2025年の世界M&A市場が前年比で回復し、変革を目的としたスコープディールが比率の過去最高を記録したこと、メガディールが増加したことが説明された。日本市場でも高水準を維持し、アウトバウンドM&Aの拡大により北米市場への展開が目立つとの見解が示された。大原崇と呉文翔の両パートナーが、日本企業が自己変革を進める手段としてのM&A活用を解説した。
AIがM&Aにもたらす変革として、AI関連案件の増加・投資テーマへのAI影響の評価・DD実務でのAI活用の三点が挙げられた。2025年には大型テック系案件の半数以上がAI関連で、DD時のAI影響評価を多くの企業が実施しており、撤退やバリュエーションの変動が生じているとのデータが紹介された。AIの活用によってデータ収集や分析が効率化され、意思決定プロセスが高度化するとの見方が示された。
地政学リスクの常態化とM&Aの基本動作として、大原はポートフォリオの精査・DDの強化・売却・スピンオフの視野化といった基本動作の重要性を挙げた。中東情勢の影響を踏まえ、グローバルなトレンドとしてAI活用の推進や現地化・サプライチェーン強靭化が進む中、日本企業は機会として捉えるべきだと指摘された。過去のデータに基づく中長期の投資リターンの観点も併せて言及された。