日本酸素ホールディングスは韓国・牙山市に半導体材料ガスジボランの新製造拠点を稼働させた。長期オンサイト契約と高純度ガスの提供体制を通じ、出荷量減少にも関わらずコア営業利益率は約15%を維持している。
日本酸素HDは産業ガスの国内トップクラス、世界では4位。2026年3月期の売上は約1兆3,596億円、海外比率が高まっており、地域別に見ると日本・米国・欧州の比重が大きい。消費者向けのイメージとは異なり、同社は深冷分離技術を核とする多様なガスを供給している。
決算資料によると、出荷数量の減少にもかかわらずコア営業利益率は14.9%と高水準を維持。電力費などコスト上昇を価格転嫁で吸収する「価格マネジメント」が利益を支えている。長期契約のオンサイト供給や寡占市場、超高純度ガスが収益構造の柱となっている。
韓国にはNSMKが牙山市で新拠点を整備。ジボランを主品目に据え、陰峰地区の既存工場と連携して将来拡張も想定。長距離輸送の課題を避け、地産地消で安定供給と品質管理を強化する狙いがある。
中期経営計画「Next Innovation 2030」では売上高1兆5,000〜1兆5,750億円、コア営業利益2,500〜2,750億円を目標とし、エレクトロニクス分野を成長投資の重点とする方針を示す。半導体投資の増減がガス需要に直結する可能性がある一方、オンサイト拠点の近接性は共同開発の機会拡大にもつながるとの見方がある。