英国紙フィナンシャル・タイムズの指摘を受け、日本企業の中国撤退が加速している。帝国データバンクの最新統計と専門家の分析を基に、現状と今後の動向を整理する。
日中関係の悪化を背景に、中国本土へ進出している日本企業の数が2026年6月時点で11,118社となり、過去最低を更新した。2024年の調査時点から約22%減少し、ピーク時の2012年からは約30%減少している。
企業の再編は拡大から再編のフェーズへ移行する動きを示しており、中国への製造投資リスクの高まりと現地企業と国内市場の競合激化が背景にある。今後も中国撤退の傾向は続くとみられる。
撤退の主目的は中国からの全面断絶ではなく、サプライチェーンの多角化を通じて中国依存を低減することにあると企業側は説明する。長尾賢ハドソン研究所フェローは、日本企業が東南アジアやインドへ投資の軸足を移すと分析している。
長尾は「日本が餌を与えていた“龍”が、炎を吐くようになった」と指摘。日中関係の悪化は、両国の外交的対立を背景に日本企業の中国事業見直しを促す要因となっている。