介護やバスをはじめとする分野で人材が不足し、サービスが届かない現象が広がっている。2040年には人材が約1100万人不足すると予測され、現場の生活サービスが揺らぎ始めている。若年層の確保難と制度と現場の乖離が進行する中、全国で具体的な影響が次々と顕在化している。
介護をはじめ教育・物流・医療など多くの分野で働く人が不足し、制度上の権利と実際のサービス提供が乖離する事態が広がっている。ある事例として、脳性麻痺の女性が3カ月以上ヘルパーの介護を受けられず、同居の母親が代替介護を担う状況が報じられた。
日本介護クラフトユニオンの緊急調査では、訪問介護事業所の管理者の89.4%が人手不足を理由にサービスの依頼を断った経験があるほか、ケアマネジャーの68.3%が必要なサービスを組み込んだ介護計画を作れなかったと回答している。代替として家族に依頼した例は41.4%、何の手当てもできなかった例は19.3%あった。
地域レベルでは路線バスの減便が相次いでおり、長崎自動車は2025年4月のダイヤ改正で平日223便、土曜110便、日祝日92便を減便した。長野市は計6路線の廃止を申請、札幌市は2026年度予算で生活交通確保対策として約36億4,200万円を計上した。
この現象は単なる企業の採用難にとどまらず、住民の通院・買い物の機会に直接影響を及ぼし、自治体が財政支援を用意する事態へと発展している。制度と人手の供給のギャップが、地域の生活インフラを揺さぶる「人材希少社会」へと進化している。