日銀は10月30日の展望リポートで基調物価が2%にほぼ整合すると判断。物価を押し上げる政策から安定維持へ軸足を移し、金利は現状維持となった。
日銀は10月30日に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、基調的な物価上昇率が目標の2%とおおむね整合していると判断した。これにより、長年目指してきた水準への到達を認め、物価を押し上げる政策から安定的に保つ政策へと軸足を移す節目となる。政策金利は1.25%程度に据え置かれた。
今後は、表面上の上昇率だけでなく経済全体に根付いた値上がりの傾向を見極めることが重視され、到達した水準の定着が政策運営の焦点になる。到達判断は政府のデフレ脱却宣言とは別の判断であり、政府は慎重な姿勢を示している。
2013年に物価目標を掲げ、デフレ脱却を目指した背景には、黒田前総裁の下での大規模金融緩和がある。到達までには約14年を要し、足元では原油価格の高騰等による上振れリスクにも対応する必要がある。日銀は9月会合で1.25%へ据え置く判断を示し、今回もその水準を維持した。
市場では将来の利上げ見通しが語られることもあるが、今回の到達は政策の変更を意味せず、上振れを抑えつつ物価水準を安定させる運用が求められる。今後の政策判断は、到達した水準を持続させることと、上振れを警戒する姿勢のバランスに焦点が移る。