東京市場でドル円が一時1ドル=152.89円まで上昇し、約7カ月ぶりの円高水準をつけた。ベッセント財務長官の発言をきっかけに、これまで積み上がっていた円キャリー取引の巻き戻しが始まったとの見方が広がっている。
外国為替市場で円高が止まらず、9月8日の東京市場でドル円は一時152.89円に達した。前週には160円前後だったとされ、円はこの間対ドルで約4.5%上昇している。
ベッセント財務長官による「日銀の利上げを正しいことをする」との発言と、G20での日銀・政府の円高につながる対応の公算が示されたことで、円買いの動きが加速。市場は日銀の利上げ示唆を受け、介入と金融政策の両面で円売り筋を抑え込む動きが強まった。
円キャリー取引の規模が大きいことが指摘され、国際円建て借り入れは今年3月時点で過去最高の約360兆円に達したとロイター報道。日銀が利上げを続けるとの見方が広がれば、円売り資金の一部が国内へ還流する可能性も取り沙汰されている。
これまで「円安は永遠に続く」との前提が崩れつつある状況だが、米10年債利回りが4%台後半と高止まりする現状や原油高の影響で、円高の完全な定着には慎重な見方が多い。ベッセント砲の効果は一時的な巻き戻しにとどまる可能性もあり、今後の市場動向は引き続き注視される。