日銀4月会合の利上げサインを探る特集。日銀短観と支店長会議報告を基に、原油高と円安の影響、賃上げ動向などの要因を整理した。今後の政策判断の前提となる情報を要約する。
日銀の4月会合に向けて、課題は主に3つあると指摘される。原油高と為替の影響によるインフレリスクの高まり、政権の経済認識の違いによる物価と景気のバランス、そして利上げ局面の終点を想定した今後の回数見通しだ。原油高の定着は景気への影響を遅れて顕在化させる可能性があり、為替介入の可能性と組み合わせて日銀の動きが左右されうる。
議決延期請求権の過去事例として、2000年8月のゼロ金利解除時に政府が請求したが否決された事実が挙げられ、現在も政府との連携が利上げ判断の鍵になるとの見方が示されている。高市政権の理解が得られない場合、日銀は利上げを先送りする方向へ向かう可能性があるとの指摘もある。
日銀短観・3月調査では回答基準日が3月12日であり、イラン情勢を十分に織り込んだとは言えないが、物価見通しは上方修正傾向にあり、インフレリスクを意識した見方が強い。新コア指標の予測値が展望レポートに盛り込まれれば、日銀の物価安定目標2%の達成可能性を市場が評価しやすくなるとみられる。
日銀支店長会議報告では賃上げ動向が明記され、多くの企業が2026年度も2025年度と同程度の賃上げ方針を示すとされる一方、中東情勢次第で賃金設定スタンスを慎重化する可能性も指摘された。原油価格高騰や物流の停滞によるコスト上昇が地域経済に与える影響を懸念する声もあり、今後の展開次第では景気を下押しするリスクがあるとの報告もある。
新年度入りの相場では金利上昇が続くとの見方が広がっており、4月会合での利上げの可能性とそれに伴う市場反応を巡る観測が展開している。4~6月期の委員入れ替わりと副総裁のご病気による人員状況の影響もあり、利上げの「お知らせ」など市場とのコミュニケーション改革の進展が注目されている。