ソシオネクストが3nmプロセスのSoC設計でCadenceのAIエージェントを導入。物理設計の自動化を進め、エンジニアの生産性を最大5倍に高めることを目指す。
ソシオネクストは2026年10月20日、先端3nmプロセスを採用した大規模SoCの物理設計に、米 Cadence のAIエージェント技術「InnoStack AI Super Agent」を導入すると発表した。設計ワークフローの自動化を強化することで、エンジニアの生産性を最大5倍に引き上げることを目標としている。
背景として、3nm世代の量産化が進む中、物理設計の複雑性が大幅に高まり、特にAIデータセンターやHPC向けカスタムSoCの開発では膨大な工数と高度な専門知識が必要になっている。これを踏まえ、EDA各社は外部知識を参照して生成AIを強化する「エージェンティックAI」の提供を拡大している。
導入するのは Cadence の InnoStack AI Super Agent で、RAGやMCPといった技術を活用して社内の設計知識を物理設計ワークフローへ統合する。具体的にはフロアプランニングやタイミング解析チェック、将来のチェックリスト自動化などの領域が対象となり、吉田久人社長は全体として最大5倍の生産性向上を期待していると語る。
今後はフロントエンド設計と物理設計のAI活用を連携させ、設計手法を組織的資産として蓄積・再利用する方針を示している。これにより、熟練設計ノウハウをAIエージェント経由で組織横断的に活用し、次世代カスタムSoC開発の新たな標準モデルを目指す。