2026年7月30日に公表された『企業買収における行動指針』のQ&Aにより、買収提案の真摯な検討基準や企業価値の捉え方などが明確化された。
経済産業省は2026年7月30日に、本指針の趣旨が十分に理解されていない可能性を踏まえたQ&Aを公表した。Q&Aは、上場会社の経営支配権を取得する買収を巡る当事者の行動の在り方を中心に、ベストプラクティスの位置づけと、解釈の不明点を解消する内容を整理した。
Q&Aの主なポイントとして、望ましい買収の意味は企業価値と株主共同の利益の双方に資する買収を指すと明確化された。高値の買収価格のみをもって「望ましい買収」とはならないとされ、企業価値の向上と株主利益の確保の両立が基準となる。
企業価値の概念については、定性的な価値が問題となる場合でも、従業員や取引先の利益への影響やサステナビリティの視点など、将来キャッシュフローや割引率への影響が合理的に見込まれる場合には評価対象となり得ると整理された。
取締役会の真摯な検討は、具体性・目的の正当性・実現可能性の3要素を満たす買収提案に対して行われるべきであり、提案の受領後は付議・報告を適切に行い、買収に応じるか否かの判断を広い裁量の下で検討することになる。