企業買収における行動指針の生みの親とされる人物への取材を軸に、2023年に策定された行動指針の背景と、理解が進んでいない3つの誤解を整理している。
企業買収をめぐる指針は2019年まで理屈や考え方を重視する内容が多かったが、実務的な行動指針を求める声を受け、2023年に「企業買収における行動指針」が策定された。背景には買収が実際に起きる場面での具体的な対応を求める現場の声があるとされる。
この指針について、3つの誤解が生じていたとして今回補足が行われた。誤解の一つは、複数の買収提案があれば高値の提案を支持すべきだという考え、二つ目は企業価値には定性価値を含められないという認識、三つ目は高値提案を受けた時点でスタンド・アローンは選択できないという解釈だ。
筆者は、23年の行動指針を維持しつつ、理解されていない趣旨や誤解を正すため、ポイントとQ&Aで補足する方針を示した。この記事では、現場での判断基準となるべき実務的な観点の整理が中心となっている。