新発10年物国債利回りが3%台に上昇した背景には日銀の利上げ期待とインフレ定着観測があり、今後の日本株の見通しを野村證券の池田雄之輔が分析します。
9月に入り長期金利の指標である新発10年物国債利回りが3%近くまで上昇した。背景として、財政悪化リスクよりも日銀が利上げを進められるほどインフレが定着しているとの見方が強まり、株価への影響は市場の解釈次第となっている。
市場織り込みでは日銀の政策金利は現在の0.0数%から2.5%近くまで引き上げられると見込まれており、長期金利の上昇はこの利上げ期待の高まりによって説明できる。財政不安よりもインフレと利上げ加速が本質とされる。
長期金利が3%を超えても株高基調が崩れないかは名目GDP成長率との関係が鍵となる。名目GDPが平均3%程度に落ち着く見込みの中、長期金利が3%を超え続けると株式のバリュエーションが上がりにくくなる可能性があるものの、業績が堅調であれば株高が続くシナリオが中心と見られる。
米国のCPIとFOMCが今後の市場の分岐点として注目される。ジャクソンホール会議後の見方では、インフレが抑制されれば株高・債券高の展開が想定され、インフレが高止まりすればFOMC次第で利上げが続く可能性がある。最悪シナリオは9月のFOMCで利上げを見送る場合だが、現在はインフレ抑制が前提となりうるとの見方が多い。
このような前提を踏まえて、日本株の見通しについては、今後の分岐点と市場のインフレ動向次第で変動するとされている。池田雄之輔は、インフレが落ち着けば株高・債券高の展開が望める一方、インフレ高止まりが続くとAI株など特定セクターには調整圧力がかかる可能性があるとの見解を示している。