1998年の円安局面について、協調介入が効果を示さず、LTCMショックとFRBの利下げが円高へ転じた経緯を整理する。さらにSOX指数の急落が市場の不安感を深め、米ドル自滅との関連が論じられている。
1998年6月ごろの円安の進行と日米の協調介入は、当初の効果を十分には発揮せず、円安の流れは続いて値を更新した。介入を行う前の水準を下回る局面も見られた。これにより、円安を止める手段は尽きたかのように見えた。
その後は状況が一転し、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)ショックと呼ばれる大規模なヘッジファンドの含み損問題が表面化。 FRBが9月から3か月連続で利下げを実施する中、日米協調介入の効果は薄いままで、円高へと転換していった。
8月には日円相場は147円台まで円安が進んだが、9月には一時130円を割れるほど円高へ振れる。その後も円安マインドは根強く、損失処理の進行とともに米ドル売り・円買いが相次ぎ、3営業日で134円から111円へ大幅に動く場面があった。
先週のSOX指数急落などAI関連市場の動向が不安材料となり、FRBの次の一手が利下げに向かう可能性が議論されている。こうした市場動向の中で、米ドル自滅のシナリオが再び円相場の転換点として取り上げられている。