日銀の9月会合議事要旨でタカ派とハト派が対立し、政府関与の発言も伝えられた。市場は円安進行で158円台に下落する場面を見せ、今後の利上げ時期への見通しは不確実性を増している。
日銀が9月会合の議事要旨を公表したところ、複数の政策委員が9月の利上げ後も引き締めを継続する必要があるとの認識を示した。ある委員は物価が上振れする兆候があれば利上げペースを加速させるべきだと述べ、別の委員は政策金利を比較的速やかに目標水準へ近づけることが経済の安定に資すると主張した。
ただし大多数の委員はインフレ圧力が蓄積しており追加利上げが必要との認識で一致しているとされ、基調インフレが2%圏にあるか近いとの指摘もあった。中には急ぐ必要はないが物価上昇を抑えるため利上げを進めるべきだという意見もあった。
市場の注目点は内閣府の出席者の発言で、過去の利上げの累積的影響を検証するよう促し、中立金利の推計値を考慮すべき可能性にも言及した点だ。円は公表日から急速に売られ、1ドル158円台を一時突破した。今後の利上げ時期については、政府と日銀の協調の動向と今後の経済指標次第で見通しが変動する見込み。
政策判断の背景として、日銀の名目中立金利のレンジ下限付近に政策金利が位置する点が挙げられ、他銀行に比べ強い利上げ圧力が指摘されている。9月の利上げ後の政策金利は1.25%で、31年ぶりの高水準に留まる。 今後の焦点は10月会合までに発表される指標と政府との協調の明確化に移るとみられる。
円安が企業活動や物価動向に影響を及ぼす可能性がある一方、政府の慎重姿勢が今後の政策運営の余地を残すとの見方もある。市場は日銀の政策正常化の終盤において、ブレーキをかけようとする政府の姿勢をどう受け止めるかを見極めていく。