日本の半導体市場で日本企業の強みは製造装置から検査・材料まで幅広く揃うことだ。対談では具体例として国内企業のポートフォリオと利益率が挙げられた。
半導体市場の成長をテーマに、長期投資家の桶井道さんと半導体商社「トナリズム」を経営する新川裕也さんの対談を前編として紹介している。両名は日本企業がAI・半導体分野で幅広い技術と製品を提供できる点を強調する。先端半導体の微細化が進む一方、自動車向けなどの汎用品も含め日本が対応力を持つ点が強調された。
新川は日本が半導体製造装置分野で世界シェアの約3割を握る「巨人」であると指摘。検査・研磨・切削装置の分野でレーザーテックやアドバンテスト、東京エレクトロンが広範な製品を揃え、最先端とレガシー品の双方に対応していると説明した。日本企業のポートフォリオの広さが競争力の源泉として位置づけられる。
エヌビディアの営業利益率は過去5期の平均で約47%、2026年1月期には約60%に達する水準とされ、日本企業の営業利益率も過去5期平均でおおむね30%前後と高水準であるとの見解が示された。これに対してASMLは約33%、レーザーテックとディスコは40%前後と比較的高い利益率を維持しているとの指摘もあった。
製造工程で不可欠な超純水やガスの供給・製造分野にも日本企業の強みがあるとされ、オルガノは超純水装置をTSMCに供給、栗田工業は飲料用水を含む幅広い事業を展開している。世界的に寡占が進む産業用ガス分野では日本酸素ホールディングスが世界4位と評価された。
今後はAIの自律制御を含むフィジカルAI関連の需要が顕在化すると予想され、ハーモニック・ドライブ・システムズやナブテスコの技術、ファナックの産業用ロボット、ソニーグループのCMOSセンサーなどが鍵を握るとの見解が示された。サイクルの変化を受け、AI・半導体関連の実需効力が株価の動向へ影響するとの見方も述べられた。