政府が牧野フライス製作所の買収提案に対し外為法27条5項に基づく中止勧告を出した。理由は高性能機械の輸出と関連情報が国内防衛用途に用いられる可能性があるためだ。
記事は、企業価値を定量的に評価するM&A指針の新たな位置づけを伝える。公表されたポイント・Q&Aでは、将来キャッシュフローの割引現在価値の総和として企業価値を定義し、経済安全保障に対応する経営判断が将来キャッシュフローや割引率に影響することを示している。
取締役会が企業価値判断と国家の安全保障判断を併存させることができる可能性がある点が指摘される。買収によって調達網が脆弱化し得る場合や技術情報流出が起こり得る場合、ディスシナジーとして評価され得るとの考え方が示されている。
牧野フライス製作所に対する買収提案をめぐり政府が外為法27条5項に基づく中止勧告を行った事例は、定量化困難性を理由に判断過程を株主へ説明しないことを問題とするのではなく、国家の安全保障判断と企業価値判断が現実的に併存し得ることを示す事例として位置づけられる。