日銀の高田創審議委員の発言を契機に、円高と円金利のイールドカーブのフラット化が進むとの見方が広がり、利上げを前倒しするほどターミナルレートが低下する公算が示された。野村證券の宍戸知暁が今後の展望を解説している。
日銀の7月会合と米国の全面協力による為替介入をきっかけに、円高観測が強まり、円相場とイールドカーブは平行線状に上方へシフトする動きが長期のJGB金利の変動とともに観察された。高田創審議委員の発言が転換点として市場に伝わり、利上げを前提とした織り込みが再評価された。
具体的には、最近まで市場は2038年頃まで半年ごとに25bpずつ利上げするという織り込みを持っていたが、現在はデータ次第の機動的な政策運営へ移行するとの見方が強まり、物価安定目標2%が達成されたとの認識も再確認された。野村證券の解説では、今後の日銀の利上げペースは国内外の物価・経済環境次第で柔軟になるとの見方が示されている。
野村證券は2026年9月、2027年1月、同年4月にそれぞれ25bpずつ利上げして政策金利を1.75%まで引き上げる見通しに改定。これに伴い、2年超〜10年のJGB利回り予測が全体的に引き上げられ、2027年度下期には長短金利のイールドカーブがブル・フラット化するとの見通しを公表している。
日銀は今後の利上げペースやターミナルレートの水準について定まった市場観が存在しないと指摘され、原油価格やAI関連の動向など外部要因に応じて利上げの必要性が変化する可能性を指摘している。超長期金利の低下と円反発は、日銀が必要と判断するだけの利上げを機動的に実行できるとの市場信認の高まりが主な要因とみられる。