人型ロボット開発の現状を取材。日本の基盤部品優位と中国の補助金依存が指摘され、実用化には十年程度の時間が見込まれる。
世界のロボット産業は産業用ロボットの成熟とAI技術の進展を背景に新しい段階へ移行しており、人型ロボットは次のフロンティアとして注目される。しかし歩行や物をつかむなど高度な動作を安定して実現するには複数技術の同時成立が不可欠で、現時点で実用化は進んでいない。難易度が高く、世界的にも実用化には時間を要するとの見方が広がる。
米国ではAIと制御技術の面で先行する一方、日本は産業ロボットの技術蓄積を生かして基盤部品の優位性を背景に耐久性と安全性の点で主導する可能性が高いとされる。だが現場で長期間使えるロボットはまだ存在せず、実用化にはおおよそ10年程度の時間が必要とみられている。中国はデモ映像による話題性が続く一方、新興企業が補助金依存の構造を抱え、参入の課題を指摘されている。
また、ロボット内部の部品構造を見ると、日本企業が心臓部である精密減速機をほぼ独占しており、ロボットの筋肉・神経・感覚機関の大半も日本製が世界標準となっている現状が説明される。中国がこれらを自国で作れない理由として、ミクロン級の加工技術の不足、特許網の影響、耐久試験文化の欠如、既存産業ロボット企業の未参入が挙げられる。