中国は身体を持つフィジカルAIの開発で世界をリードする一方、日本は福祉や医療現場の技術で強みを持つとされる。ロボット産業の大競争が進む中、それぞれの国の動向が注目されている。
中国は身体を持つフィジカルAIを武器に世界のロボット市場をリードしており、北京で世界ロボット大会と世界人型ロボット運動会が同時期に開催された。前者には約300社が参加し、展示は2000点以上に上った。後者には16の国と地域から666チームが集まり、2056台のロボットが51競技を披露した。
フィジカルAIの現状では、中国企業が出荷の主導権を握っており、2026年上半期の人型ロボット出荷台数のうち約97%を占めたとされる。さらに、世界のAIやロボット関連を専攻する学生の割合でも中国が42%と高い割合を占めているとの指摘がある。
日本はかつてロボット大国として製造業のロボット普及をけん引したものの、2024年時点で世界の産業用ロボット生産シェアが29%に低下し、1990年代から2009年のトップ級の水準から後退している。一方で早稲田大学の見解では、日本はハードとソフトを一体化させる技術に強みがあり、福祉や医療現場を支える分野でリードしていると評価されている。
今後の展望として、2030年代に技術が成熟し、2035年以降サービス提供が現実味を帯びる可能性がある一方、社会受容性や倫理・文化的要素などのインフラ整備も必要とされる。米中の競争は技術開発だけでなく、データ共有の動きも見られ、国際的な協力枠組みの形成が進んでいる。