国内の企業・自治体で大規模な情報流出が相次ぎ、AIを用いた攻撃の事例が確認された。流出件数や被害の具体例、企業の対策の要点を整理する。
日本国内で公表された被害は9月末以降、日次ペースで増加しており、政府も緊急対策を打ち出すなど対応を急いでいる。トレンドマイクロの集計では、今年の公表件数がすでに前年を上回っている。流出・サービス停止といった被害が広範囲に及び、企業のセキュリティ対応の見直しが進んでいる。これまでの攻撃は脆弱性の悪用や管理不備の突き、という構図を維持しつつ、規模と速度が大幅に増している。
具体的な被害事例として、カーシェア大手のTimes Carで約660万アカウント、焼肉きんぐで会員1078万8963件が不正アクセスを受けたほか、IDCフロンティアはクラウド事業基盤がランサムウェアで停止し、495の企業や自治体が影響を受けた。さらにGMOインターネットグループは犯人逮捕につながる情報に対して上限100万ドルの賞金を設定する事態となった。
AIの関与として、攻撃者がAIを動く侵入ツールとして用いていたことがJPCERT/CCの注意喚起で明らかになっている。現状、どの流出がAIによるものかは不明だが、AIエージェントと呼ばれる自走型の作業手順で、偵察・探索といった機械的作業の人手負担を軽減し、規模とテンポを高めている可能性が指摘されている。