卸電力市場急騰と価格転嫁不能による電力事業リスク
FY2023-Q1に初出。10回の記載のうち7回が「対処」で、最初の「対処」はFY2024-Q1。直近の記載はFY2026。
穴吹興産がこのテーマで「悪化」側に入ったのは2022年。同じテーマの他社の中央値(2023年)より1年早い。
テーマ全体が最も大きく悪化側へ動いたのは2021年。15社中4社が悪化側に。
直近の記載が「対処」なのは、ほかに7社。
- FY2026対処有価証券報告書
「天候要因により電力使用量が増加したことに加え、電力調達原価の削減が進んだことから、電力提供事業の収益は堅調に推移いたしました。」
電力調達原価の削減が進み、電力提供事業の営業損益は前期の損失から815百万円の利益へ改善した。 - FY2026-H1対処有価証券報告書
「電力使用量が順調に推移し調達原価の削減が進んだことで、業績は堅調に推移いたしました。」
電力使用量の堅調な推移と調達原価の削減により、従来の燃料費・電力原価高騰による収益圧迫リスクへの対処が進んだ。 - FY2025対処有価証券報告書
「天候要因により電力使用量が計画を大きく上回り、電力売上が堅調に推移するとともに、燃料費調整額や卸市場価格も安定して推移し、電力調達価格の引き下げが進んだことから、電力提供事業の収益が顕著に回復しました。」
燃料費調整額・卸市場価格の安定と電力調達価格の引下げにより、電力事業の営業損失は205百万円から70百万円へ縮小した。 - FY2025-H1対処有価証券報告書
「燃料費調整額や卸市場価格も安定して推移し、電力調達価格の引き下げが進んだことから、電力提供事業の収益が顕著に回復しました。」
燃料費調整額・卸市場価格の安定と電力調達価格の引下げにより、前期までの燃料費逆ザヤ・電力原価高騰による影響が低減した。 - FY2024-Q3対処有価証券報告書
「また、政府の実施する電気・ガス価格激変緩和対策事業が継続する中、燃料費調整額や卸市場価格は安定的に推移し、電力提供事業の収益が安定化いたしました。」
燃料費調整額・卸市場価格の安定化により、前期までの燃料費逆ザヤ・電力原価高騰リスクへの対処が進んだ。営業損失は前年同期の656百万円から102百万円へ縮小した。 - FY2024-Q2対処有価証券報告書
「なお、政府の実施する電気・ガス価格激変緩和対策事業が継続する中、前期発生した燃料費調整額の逆ザヤは解消に向かっており、電力提供事業の収益が安定化いたしました。」
前四半期まで記載された燃料費調整額の逆ザヤと電力原価高騰に対し、逆ザヤが解消方向となり、収益安定化が記載された。ただし、補助金制度による電力料金削減で営業損失は継続した。 - FY2024-Q1対処有価証券報告書
「昨年度高騰した燃料費調整額は安定して推移し、2023年6月利用分から実施された地域電力7社の規制料金改定に伴う価格転嫁も進んだことで、電力提供事業の収益が安定化いたしました。」
前四半期まで記載された燃料費調整額の逆ザヤ・電力原価高騰に対し、燃料費調整額の安定化と規制料金改定に伴う価格転嫁の進展が記載された。 - FY2023-Q3悪化有価証券報告書
「この結果、エネルギー関連事業の売上高は4,814百万円(前年同期比12.0%増)、営業損失は656百万円(前年同期は営業利益391百万円)となりました。なお、営業損失の主な要因は、燃料費調整額の逆ザヤと電力原価の高騰によるものであります。」
燃料費調整額の逆ザヤと電力原価高騰が継続し、営業損益は前年同期の391百万円の利益から656百万円の損失へ悪化した。 - FY2023-Q2悪化有価証券報告書
「一方、燃料費の高騰により全ての地域で燃料費調整額の上限に達したことを受けて、サービス提供を継続するための利用規約の改定と燃料費算定方法の変更を実施いたしました。この結果、エネルギー関連事業の売上高は3,238百万円(前年同期比25.2%増)、営業損失は82百万円(前年同期は営業利益158百万円)となりました。なお、営業損失の主な要因は、燃料費調整額の逆ザヤと電力原価の高騰によるものであります。」
前 filing で一部地域に生じていた価格転嫁不能が、今回は全ての地域で燃料費調整額の上限に達する状況へ広がり、燃料費調整額の逆ザヤと電力原価高騰により営業損失が発生した。 - FY2023-Q1顕在化有価証券報告書
「なお、卸電力市場の急騰の影響等により、電力調達価格が高騰しており、みなし小売電気事業者の規制料金における燃料費調整額の上限に達する地域もあり、価格転嫁できない地域が生じました。」
卸電力市場の急騰により電力調達価格が高騰し、規制料金の上限に達して価格転嫁できない地域が実際に生じた。